私的整理

A2.私的整理のメリットは、A1にも記載しましたが、取引債務については正常取引が継続し、レピュテーションリスクもないことから、事業の棄損防止ができること。再生計画の成立により、以後金融機関からの協力が得やすくなることなどです。

デメリットは、私的整理に参加している全金融機関の合意がないと成立しないことです。一つの金融機関が反対すれば、再生計画は成立しません。法的整理では、多数決で計画が成立できることと比較すると大きなデメリットと言えます。

A3.私的整理には、準則型私的整理と純粋私的整理があります。

公表されている準則(ルール)に従って手続を進めるものを準則型私的整理と言い、以下の各手続があります。

準則型手続に準拠せずに行われる私的整理を、純粋私的整理と言います。

私的整理手続の選択は、メイン金融機関の意見を聞き、弁護士、公認会計士、再生コンサルタントなどの専門家と相談して決めて行くこととなります。

①私的整理ガイドライン

②事業再生ADR

③中小企業活性化協議会

④中小企業の事業再生等に関するガイドライン

⑤REVIC

⑥RCC

⑦特定調停

 

A4.ポイントとなるのは、次のような事項です。

①金融機関の数

②金融債務の額

③金融支援の内容(債権カットを含むか、リスケジュールに留まるかなど)と額

④手続完了までに許される所要期間

⑤費用負担能力

⑥金融機関の構成

⑦メイン金融機関の意向

A5.中小企業が利用し易い私的整理手続は、中小企業の事業再生等に関するガイドラインと中小企業活性化協議会の手続でしょう。

①ガイドライン手続は、事業再生でも廃業でも利用が可能である点、便利な手続きです。

②活性化協議会の手続は、本格再生前の収益力改善ステージ、再生ステージ、再チャレンジステージがあり、再生準備から、本格再生、廃業・経営者の再チャレンジ支援までを行います。

なお、廃業については、ガイドライン手続の活用などを支援する仕組みです。

 

両手続とも、経営者の金融機関に対する保証債務を、経営者保証ガイドラインを活用して同時に処理できる点で、使い勝手の良い手続であると言えます。また、補助金の活用も可能です。

A6.中小企業は、事業再生の専門家である弁護士、公認会計士などの外部専門家の指導を得て、以下のように手続を進めます。

①外部専門家の協力を得て、計画案を調査する第三者支援専門家を候補者リストから選定し、主要債権者(金融債権の債権額が50%以上に達するまでに積み上げた際の単独もしくは複数の債権者)の同意を得て、第三者支援専門家を選任します。

②第三者支援専門家の選任後必要があれば、金融債権者に対し一時停止の要請をします。

③事業再生計画案を立案し、第三者支援専門家は、同計画案の内容の相当性、実行可能性、金融支援の相当性と衡平性などに関し調査し報告書を作成します。

④保証債務も一体整理します。

⑤債権者会議を開催し、再生計画案の説明、調査報告、質疑応答を行い、計画案に対する同意、不同意の期限を定めます。

⑥全債権者が同意し、第三者支援専門家がその旨を書面等により確認した時点で事業再生計画が成立します。

⑦再生計画の達成状況のモニタリングを行います。

A7 廃業型の手続は、概ね以下のような進行になります。

①中小企業者は外部専門家とともに、主要債権者(廃業型では、金融債権とリース債権も含め債権額が50%以上に達するまでに積み上げた際の単独もしくは複数の債権者)に対し、廃業型私的整理手続を検討している旨を申し出ます。

②主要債権者の意向を踏まえて、外部専門家(事業再生を専門にする弁護士、公認会計士、コンサルタント)が、中小企業者の資産負債及び損益の状況の調査検証や弁済計画案の策定の支援を開始します。

③この支援開始後、必要に応じて主要債権者全員の同意を得て、一時停止の要請を行い、弁済計画案を立案します。

④保証債務も一体整理する。

⑤主要債権者全員の同意のもとに、第三者支援専門家を選任し、第三者支援専門家は、弁済計画案の内容の相当性及び実現可能性等について調査し、報告書を作成します。

⑥その後、債権者会議を開催し、弁済計画案の説明、調査報告、質疑応答を行い、計画案に対する同意、不同意の期限を定めます。

⑦全債権者が同意し、第三者支援専門家がその旨を書面等により確認した時点で弁済再生計画が成立します。

⑧弁済計画達成状況のモニタリングを行います。

 

A8.中小企業活性化協議会は、全国の47都道府県にあり、中小企業の活性化を支援する公的機関です。

中小企業と一部の医療法人を支援対象とする組織です。

活性化協議会は、中立公正な立場で、主要債権者や保証協会などとも連携して、中小企業の収益力改善から再チャレンジまで、幅広く中小企業の活性化を支援する組織です。

活性化協議会は、本格再生前の収益力改善ステージ、再生ステージ、再チャレンジステージがあり、再生準備から、本格再生、経営者の再チャレンジ(廃業を含む)支援まで幅広い支援事業を中小企業の特性に合わせて行っています。

活性化協議会は、各種相談対応、債権者会議を主宰しての金融機関調整、必要に応じて「返済猶予等の要請」を行い、財務やビジネスに関する調査、計画の策定なども行うとともに、中小企業に対し、弁護士、会計士、コンサルタントなどの外部専門家の紹介もしています。

A9.経営者保証ガイドラインは、中小企業経営者の保証債務を整理して、早期の事業再生を促し、廃業のケースでは、経営者の再チャレンジを支援する制度です。

事業再生や廃業と合わせて、経営者を破産させることなく、保証債務を整理することが可能となりました。

破産の場合より、多くの手元資金を残すことができ、華美でない自宅を残すことやクレジットカードも継続して利用することも可能となりました。

中小企業の再生、事業承継、廃業

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主な業務分野

事業再生 事業再編・M&A 会社法 一般企業法務 倒産処理・清算手続・債務整理
コンプライアンス 高齢者法務(後見、財産管理等) 相続・遺言 労働法 ファンド関連業務
債権回収 不動産 建築・請負 紛争処理(訴訟・保全・執行) 離婚等 知的財産法 独禁法 学校法務

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離婚等 交通事故 スポーツ法務 学校法務 原子力損害賠償 消費者被害

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私的整理

A2.私的整理のメリットは、A1にも記載しましたが、取引債務については正常取引が継続し、レピュテーションリスクもないことから、事業の棄損防止ができること。再生計画の成立により、以後金融機関からの協力が得やすくなることなどです。

デメリットは、私的整理に参加している全金融機関の合意がないと成立しないことです。一つの金融機関が反対すれば、再生計画は成立しません。法的整理では、多数決で計画が成立できることと比較すると大きなデメリットと言えます。

A3.私的整理には、準則型私的整理と純粋私的整理があります。

公表されている準則(ルール)に従って手続を進めるものを準則型私的整理と言い、以下の各手続があります。

準則型手続に準拠せずに行われる私的整理を、純粋私的整理と言います。

私的整理手続の選択は、メイン金融機関の意見を聞き、弁護士、公認会計士、再生コンサルタントなどの専門家と相談して決めて行くこととなります。

①私的整理ガイドライン

②事業再生ADR

③中小企業活性化協議会

④中小企業の事業再生等に関するガイドライン

⑤REVIC

⑥RCC

⑦特定調停

 

A4.ポイントとなるのは、次のような事項です。

①金融機関の数

②金融債務の額

③金融支援の内容(債権カットを含むか、リスケジュールに留まるかなど)と額

④手続完了までに許される所要期間

⑤費用負担能力

⑥金融機関の構成

⑦メイン金融機関の意向

A5.中小企業が利用し易い私的整理手続は、中小企業の事業再生等に関するガイドラインと中小企業活性化協議会の手続でしょう。

①ガイドライン手続は、事業再生でも廃業でも利用が可能である点、便利な手続きです。

②活性化協議会の手続は、本格再生前の収益力改善ステージ、再生ステージ、再チャレンジステージがあり、再生準備から、本格再生、廃業・経営者の再チャレンジ支援までを行います。

なお、廃業については、ガイドライン手続の活用などを支援する仕組みです。

 

両手続とも、経営者の金融機関に対する保証債務を、経営者保証ガイドラインを活用して同時に処理できる点で、使い勝手の良い手続であると言えます。また、補助金の活用も可能です。

A6.中小企業は、事業再生の専門家である弁護士、公認会計士などの外部専門家の指導を得て、以下のように手続を進めます。

①外部専門家の協力を得て、計画案を調査する第三者支援専門家を候補者リストから選定し、主要債権者(金融債権の債権額が50%以上に達するまでに積み上げた際の単独もしくは複数の債権者)の同意を得て、第三者支援専門家を選任します。

②第三者支援専門家の選任後必要があれば、金融債権者に対し一時停止の要請をします。

③事業再生計画案を立案し、第三者支援専門家は、同計画案の内容の相当性、実行可能性、金融支援の相当性と衡平性などに関し調査し報告書を作成します。

④保証債務も一体整理します。

⑤債権者会議を開催し、再生計画案の説明、調査報告、質疑応答を行い、計画案に対する同意、不同意の期限を定めます。

⑥全債権者が同意し、第三者支援専門家がその旨を書面等により確認した時点で事業再生計画が成立します。

⑦再生計画の達成状況のモニタリングを行います。

A7 廃業型の手続は、概ね以下のような進行になります。

①中小企業者は外部専門家とともに、主要債権者(廃業型では、金融債権とリース債権も含め債権額が50%以上に達するまでに積み上げた際の単独もしくは複数の債権者)に対し、廃業型私的整理手続を検討している旨を申し出ます。

②主要債権者の意向を踏まえて、外部専門家(事業再生を専門にする弁護士、公認会計士、コンサルタント)が、中小企業者の資産負債及び損益の状況の調査検証や弁済計画案の策定の支援を開始します。

③この支援開始後、必要に応じて主要債権者全員の同意を得て、一時停止の要請を行い、弁済計画案を立案します。

④保証債務も一体整理する。

⑤主要債権者全員の同意のもとに、第三者支援専門家を選任し、第三者支援専門家は、弁済計画案の内容の相当性及び実現可能性等について調査し、報告書を作成します。

⑥その後、債権者会議を開催し、弁済計画案の説明、調査報告、質疑応答を行い、計画案に対する同意、不同意の期限を定めます。

⑦全債権者が同意し、第三者支援専門家がその旨を書面等により確認した時点で弁済再生計画が成立します。

⑧弁済計画達成状況のモニタリングを行います。

 

A8.中小企業活性化協議会は、全国の47都道府県にあり、中小企業の活性化を支援する公的機関です。

中小企業と一部の医療法人を支援対象とする組織です。

活性化協議会は、中立公正な立場で、主要債権者や保証協会などとも連携して、中小企業の収益力改善から再チャレンジまで、幅広く中小企業の活性化を支援する組織です。

活性化協議会は、本格再生前の収益力改善ステージ、再生ステージ、再チャレンジステージがあり、再生準備から、本格再生、経営者の再チャレンジ(廃業を含む)支援まで幅広い支援事業を中小企業の特性に合わせて行っています。

活性化協議会は、各種相談対応、債権者会議を主宰しての金融機関調整、必要に応じて「返済猶予等の要請」を行い、財務やビジネスに関する調査、計画の策定なども行うとともに、中小企業に対し、弁護士、会計士、コンサルタントなどの外部専門家の紹介もしています。

A9.経営者保証ガイドラインは、中小企業経営者の保証債務を整理して、早期の事業再生を促し、廃業のケースでは、経営者の再チャレンジを支援する制度です。

事業再生や廃業と合わせて、経営者を破産させることなく、保証債務を整理することが可能となりました。

破産の場合より、多くの手元資金を残すことができ、華美でない自宅を残すことやクレジットカードも継続して利用することも可能となりました。

中小企業の再生、事業承継、廃業

住田 昌弘

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