当事者間で、解雇や残業代に関するトラブルが解決できない場合、弁護士を通じて解決する方法は大きく分けて3つあります。

  1. 代理人弁護士による示談交渉
  2. 裁判所での労働審判
  3. 裁判所での民事訴訟

それぞれの手続毎に特徴があり、期待される効果、費用、時間などに違いがあるため、当事者が置かれている事情に合った適切な手段を選択することが、有効なトラブルの解決にとって重要です。

1. 代理人弁護士による示談交渉

依頼者の委任を受けた弁護士は、内容証明郵便等を通じて、その紛争に関する法律上の意見を相手方に伝えます。弁護士が代理人に就いたことが伝わると、依頼者の本気度が相手方に伝わり、それだけで交渉が進む場合もあります。
交渉を有利に進めるには、素早く適切な証拠収集を行うことが重要です。

代理人弁護士による示談交渉

相手方の主張が法律上通らないことを示す有力な証拠を揃えることで強い交渉力を備え、これを代理人による法的主張の形にして相手方に示すことが、示談交渉による解決では重要です。
示談交渉にかかる時間は必ずしも短いとは限らずケースバイケースですが、(本サイトを通じたご相談の場合、着手金(初期費用)ゼロ、成功報酬25%)、多くの場合、時間も比較的短くて済むと言えます。

2. 裁判所での労働審判

労働審判とは、労働紛争をスピード解決するための特別な裁判所の手続です。労働審判は、労働審判法に「紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする」(労働審判法1条)とあるように、「迅速」であることが大きな特徴です。

裁判所での労働審判

具体的には、

  1. 当事者は「早期に主張及び証拠の提出をし、労働審判手続の計画的かつ迅速な進行に努め」(労働審判規則2条)
  2. 「労働審判手続の第二回の期日が終了するまでに、主張及び証拠書類の提出を終え」(労働審判規則27条)る必要があり
  3. 裁判所は「三回以内の期日において、審理を終結しなければならない」(労働審判法15条2項)など

仕組み的にスピード解決が求められています。多くの場合、第一回の期日で調停(和解)が成立します。

労働審判は、

  1. そもそも裁判所の手続であることと、
  2. 「法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ代理人となることができない」(労働審判法4条)など、本人以外に弁護士が出席するのが通常なこと、
  3. 相手方が正当な理由が無く出頭しないときは、裁判所は、5万円以下の科料に処する(労働審判法31条)ことができることから、

あらゆる法律上の問題点が迅速な手続で審理され、説得力の高い解決策が示され、高い解決率を誇ります。

弁護士を代理人とすることから弁護士報酬(本サイトを通じた相談の場合、着手金(初期費用)ゼロ、成功報酬25%)が必要となりますが、

  1. 成功報酬型であれば、当事者が得た経済的利益の一部を報酬とし、
  2. 実質的に持出しゼロとなります。何より
  3. スピード解決が図れるため、多くの面で経済的に有利な結果となります。

3. 裁判所での民事訴訟

裁判所での民事訴訟

労働審判での3回の期日を経て「審判」が下された場合でも、当事者間の対立が激しい場合、不服のある当事者が「異議」を申し立て、民事訴訟に移行する場合もあります。対立が激しい場合は、初めから民事訴訟を提起する場合もあります。
民事訴訟になると、一般的には、

  1. 原告が訴状を提出
  2. 被告が答弁書と準備書面を提出
  3. 原告が準備書面を提出
  4. 準備書面のやり取りを数回繰り返し
  5. (裁判官から和解勧試)
  6. 和解が成立しなければ証人尋問
  7. (再度、裁判官から和解勧試)
  8. 判決(いずれかに不服があれば控訴)

といった流れが想定され、概ね1年かそれ以上の期間が必要となり、その間、弁護士への報酬(本サイトを通じた相談の場合、着手金(初期費用)ゼロ、成功報酬30%)も必要となります。
このように、訴訟手続は時間がかかるため、労働問題のように当事者にとって紛争の長期化のデメリットが大きい事件では、訴訟を避けて金銭的な解決で紛争終結を望むケースが多く見られます。